真鍋淑郎(まなべしゅくろう)博士

本書の出版の第二版にあたり、2021年に世界で初めて気象分野でノーベル賞を受賞された真鍋淑郎博士のインタビュー記事を掲載させていただきました。真鍋博士は、戦後間もない混沌とした時代に渡米され、さまざまな問題にぶつかりながらも解決策を模索され、新しい研究分野を切り開き、誰も到達できなかった偉業を世界で最初に成し遂げられました。博士が進まれた未知の世界への果敢なる挑戦は、これからこどもたちが迎える未知の世界への挑戦への力強い勇気と支えになるものと考えます。インタビュー記事から何かを感じ取り、これからを生き抜くヒントとしてもらえたらこれ以上の喜びはありません。博士とのご縁を導いてくれた大学院からの親友・プート真智子さん、ご自宅に快くお招きしてくださった信子夫人、そしてなにより本書の趣旨に賛同してくださり、インタビュー記事の掲載を快諾してくださった真鍋淑郎博士にこの場を借りて厚くお礼を申し上げます。

真鍋淑郎博士

気候に関わる現象(太陽の熱、大気の放射、海の表面や陸面からの蒸発など)を計算式としてコンピューターに取り組み、世界で初めて地球の気候システムの基本構造を捉えることに成功。世界規模の気候のシュミレーションを可能にした「気候モデル」の先駆的開発者。また、大気中の二酸化炭素濃度の上昇が、地球温暖化に与える影響を明らかにし、地球温暖化予測研究で世界をリードし、国際社会にも大きな影響を与えた。

愛媛県出身。1949年に新制の東京大学に第一期生として入学、地球物理学の一分野である気象学を専攻する。1958年に東京大学大学院で理学博士号を取得後すぐにアメリカに渡り、アメリカ国立気象局(現:アメリカ海洋大気局 (NOAA)、プリンストン大学などで気候の研究を行う。日本でも1997〜2001年に、宇宙開発事業団と海洋科学技術センターによる共同プロジェクト「地球フロンティア研究システム」を率いた。1960年代より数々の大きな賞を受賞。近年では2018年にクラフォード賞、2021年にノーベル物理学賞、文化勲章、文化功労者を受賞。気象分野の研究者がノーベル賞を受賞するのは世界初

インタビュー記事 全6ページより最初の2ページ紹介

インタビュー内容

  1. ぼんやりと物思いにふけるのが好き
  2. 医師をめざしていた
  3. アメリカには「君が行きたまえ」
  4. ものすごく負けず嫌い
  5. 好奇心そして考えること
  6. 人がどう思うか気にしないで好きなこと、得意なことを見つけよう
  7. インタビュー後記