【SDGS7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに】指導アイディア展開案ーエネルギー編
対象:小学校高学年
わたしたちのエネルギーについて考えてみよう
執筆/山口日出夏
(環境政策学博士 環境教育NPO・Blueggs Environmental Education代表 『小5 算数・社会・理科でSDGsがわかる!考える力をきたえるワーク』著者)
編集委員/岡本健
(公益財団法人)海外子女教育振興財団(JOES)教育アドバイザー 大阪府公立小学校・オハイオ州コロンバス補習授業校元校長)
目次
産業革命以後、エネルギー源として人類は大量の化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)を利用してきました。化石燃料は低コストで多くのエネルギーを生み出し、運搬や貯蔵を容易に行えるメリットがあるため、日本も長年にわたり主要なエネルギー源として利用してきました。1970年代の日本における一次エネルギー供給では、化石燃料の利用率は94%に達しており、現在も8割以上を依存しています。しかし、化石燃料の使用に伴う二酸化炭素排出が、地球温暖化の主な原因となっており、化石燃料への依存度が高い日本は、世界5位の二酸化炭素排出大国となっているという問題に直面しています。また、化石燃料のほとんどを輸入に頼っているため、エネルギー自給率は13%とOECD諸国38か国中37位と最低水準にあり、国際エネルギー市場の混乱の影響を受けやすく、エネルギー資源を安定的に確保できないという問題も抱えています。
2023年12月に開催された「第28回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)」では、COPで初めて「化石燃料からの脱却」に向けたロードマップが承認され、代替エネルギーとして「2030年までに再生可能エネルギーの発電容量を世界全体で3倍にする」という目標が掲げられました。日本においても、地球温暖化対策とエネルギー安全保障の観点からも、化石燃料の依存度を大幅に減らし再生可能エネルギーの導入を増やしたエネルギー社会の構築が急務となっています。
1.日本が直面しているエネルギー問題について理解する (知識・技能)
2.社会の課題を読み解き、実践的に考える力を身につけられるようにする (思考・判断・表現)
3.環境にやさしいエネルギー社会の構築について、自分なりの考えを持てるようにする(主体的に学習に取り組む態度)
【関連している算数と社会科の単元】
算数:割合(小5)
社会科:工業生産(小5)
2時間用
1)プリント(『算数•社会•理科でSDGsがわかる!考える力をきたえるワーク』30ページ)
タブレットでの学習や、教室でモニターに映すのに適したフォーマットになっています。
<こちら>よりご利用ください
2)動画 (5分16秒)
わたしたちの生活や社会はたくさんのエネルギーを使っています。バスや自動車はガソリンを使って動かしていて、大きな工場では天然ガスなどを使って製品をつくっています。そしてわたしたちは多くのものに電気をたくさん使っています。テレビやゲーム、携帯などは全部電気、そして信号も電車もエレベーターも全部電気を使って動いています。
そしてわたしたちは、色々なものを使って電気をつくっています。そしてその多くを石炭、天然ガス、石油という化石燃料を使っています。石炭、天然ガス、石油は数億年も前に地球上に住んでいた植物やプランクトンなどの死がいが変化したものです。そういった長い時間をかけて化石になったものを燃料として使っているので化石燃料と呼ばれています。化石燃料は低コストで多くのエネルギーを生み出し、運搬や貯蔵に向いているという長所があるため、わたしたちは地下や海底に埋まっているたくさんの化石燃料を掘り起こして利用してきました。
日本も化石燃料をたくさん使用してきていて、今から50年ほど前の1970年代は日本のエネルギーの94%が化石燃料を使っていて、ほとんど全てのエネルギーを化石燃料に頼っていました。
しかし、化石燃料はさっき挙げたような便利な側面がある一方で、地球温暖化を引き起こすという大きな短所があります。化石燃料を使って電気を作る時には、化石燃料を燃やして使います。そうすると、燃やした時に化石燃料からたくさんの二酸化炭素が排出されます。大気中の二酸化炭素が増えてしまうことで地球温暖化が起きてしまうので、電気を作るときに化石燃料を使うことは地球温暖化の原因となってしまっています。
世界各地で化石燃料を使うことによって、世界で二酸化炭素の量はどんどん増えていきこの100年でなんと10倍に増えてしまいました。化石燃料を多く使っている日本の二酸化炭素の排出量も多く、日本は世界で5番目に多くの二酸化炭素を排出しています。
こういった地球温暖化の問題だけでなく、日本は資源が少ない国で、ほとんどの化石燃料を輸入に頼っていることで世界情勢に左右されやすいという別の問題も抱えています。日本は石炭と石油のほぼ100%、天然ガスの98%を海外から輸入しています。自国で作れず輸入に頼らなくてはいけないという状況は、輸入先や世界の状況によって値段が上がってしまったり、売ってもらえなくなったりするようなことが起きる可能性があります。実際にロシアによるウクライナ侵攻によって世界の石油や天然ガスの値段が上がり、その結果、日本での電気代も上がってしまいました。
こういった問題を解決するために、再生可能エネルギーの利用を増やしていくことが急がれています。
再生可能エネルギーは二酸化炭素の問題がほとんどないのが特徴です。特に太陽光や風、地熱、小川を使った小さい規模の水力などの再生可能エネルギーは発電するときに燃やす必要がないので、二酸化炭素が排出されません。また国内にある自然のエネルギーを利用するので、化石燃料のように海外からの輸入に頼る必要がなく、国産のエネルギーを増やすことができ、日本のエネルギー自給率を上げることができます。
SDGsでは、7番目の目標「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と13番目の「気候変動に具体的な対策を」の目標を達成するために、世界では化石燃料から脱却して、「2030年までに再生可能エネルギーの発電容量を世界全体で3倍にする」という目標が掲げられています。そういった目標を達成するためには急いでたくさんの取り組みを行う必要があります。
授業の展開案はこのワークを元に作成されています
牛山泉名誉教授(日本の風力発電の父/足利大学前理事・名誉教授)
この「算数・社会・理科でSDGsがわかる!考える力をきたえるワーク」は、皆さんの身の回りの社会の様々な問題を算数や社会あるいは理科の力を借りてわかり易く整理し、皆さんの考える力を引きだしてくれるように工夫されています。どれも最新のトピックスで私も「そうか、知らなかったな」とか「なるほど、そうなのか」と思わされ、クイズ感覚で納得すると同時に新たな好奇心も掻き立てられてきました。
岡本 健先生(海外子女教育振興財団 教育アドバイザー/米オハイオ州コロンバス補習授業校元校長)
ワークに取り組むと、生活を見つめ直し、自分に出来ることを考える行動化に繋がることが期待できます。例えば、地球温暖化は、異常気象、電力逼迫、農作物の不作等、ニュースで見聞きする事をワークの問題を解きながら、数値を導き出したり、表やグラフを読み取ったりして実感を伴った、より切実な自分事として認識されます。社会・世界と関わる一歩となることが、このワークの価値であり、魅力です。
(大阪府内の小学校教諭)
すべての問題に、指導ガイドと解説動画が用意されていて、教職経験の浅い教員にもベテラン教員にもお勧めです。指導ガイドには、個々の教科のねらい、SDGsや教科横断の目標が書かれ、授業形式で問題に取り組むことができ、補足の説明や参考資料は、学習集団の知的興味をより高めながら、学習のゴールに到達できるようになっています。解説動画は、学校での一斉指導や、宿題、オンライン学習に活用できます。多彩な学習形態&多様な学習活動を効率よく展開できる教材です。
(神奈川県内の小学校教諭)
問題は見開き1ページになっていて、何をどれだけやればいいか子どもも教師も見通しをもちやすい。そして、すべて今日的な教育課題が取り上げられ、次代を担う子どもたちには不可欠なテーマばかりです。また、答えを導き出すのに四則計算の力だけでなく、問題文と様々な表やグラフなどの資料を読み解く力が必要です。全国学力・学習状況調査でも指摘されている資料活用能力が身につき、学力の三要素が育まれることが期待できます。

算数、理科、社会とSDGsを教科横断的な観点から学習できる教材になっており、日本の自然環境、工業生産、環境問題について分かりやすく学習できます。充実した解説と指導ガイドがあり、教師も子どもたちも使いやすい教材になっています。練習問題では、データや図から読み取る問題があり、子どもたちの計算力、資料を読み取る力を育むことができます。単元ごとに解説動画がついており、興味のある単元をご家庭でも学習できるので、子どもたちの主体的な学習にも期待できます。
学校や図書館でのご利用を考えている方はぜひご連絡ください。献本いたします。
























